「クールジャパン」はこんなにひどいことになっていた

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180423-00055359-gendaibiz-bus_all&p=1

クールジャパン投資事業で44億円の損失大々的に喧伝されてきたクールジャパン政策が迷走している。日本の文化を海外に紹介し、マンガ・アニメ、食、ファッションなどの輸出を支援すると官民ファンドの産業革新機構が投資した事業が成果ゼロのまま次々に打ち切られ、その株式が民間企業に極めて廉価で売却されている。

▼調べた情報


クールジャパンとは

日本独自の文化が海外で評価を受けている現象、またはその日本文化を指す言葉。 米外交政策誌にアメリカのジャーナリストが「日本は文化のスーパーパワー」と書いたのが「クール・ジャパン」の発端と言われており、クールは冷たいという意味ではなく、洗練された、感じがいい、かっこいい等の意味で使われている。

クールジャパン政策経緯
H19:第一次安倍政権において、甘利経済産業大臣が「感性価値創造イニシアティブ」を策定

製品やサービスにまつわるストーリーを、日本の魅力・価値を高めるものとして推進


経済成長戦略大綱の改訂の際に、「感性価値創造の推進」を掲げ、H20年度から22年度までを、「感性価値創造イヤー」として重点的に推進


経済産業省に、「クール・ジャパン海外戦略室」を創設
クール・ジャパン戦略室を改組・拡大し、「クリエイティブ産業課(生活文化創造産業課)」を創設


H24:第二次安倍政権において、初めて「クールジャパン戦略担当大臣」が置かれ、稲田大臣が任命される

H25「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」が設立

クールジャパンを政策にした理由

少子高齢化等に伴う国内需要の減少に直面する我が国において、経済の持続的な成長を実現させていくためには、著しい経済成長を背景として需要を拡大させる新興国をはじめとする諸外国の旺盛な外需を獲得していくことが必要。

ねらい
※我が国の生活文化の中で育まれたコンテンツ、ファッション、日本食等は海外において高い人気を博しているとともに、他国に真似できない、追随できない無形価値であり、今後の日本経済のよりどころとなる。
※しかし、リスクが不透明であること等による金融機関、投資家からの資金供給不足、足がかりにすべき海外拠点の不足、情報やノウハウ不足等により、具体的な海外展開が進まず、収益に結びついていない状況にある。
※こうした状況を打開し、海外需要を獲得するため、株式会社海外需要開拓支援機構を設立し、民間投資の「呼び水」となる資金供給とハンズオンによる経営支援を行う。

※ハンズオンとは、企業買収や投資を行う際に、その後にどのくらいマネジメントに関与するかを表現する言葉。自ら社長や社外取締役などを派遣し、経営に深く関与するスタイルが「ハンズオン」逆に買収先・投資先のマネジメントに任せるのが「ハンズオフ」である。

クールジャパン機構(株式会社海外需要開拓支援機構)

平成25年6月に株式会社海外需要開拓支援機構法が成立し、クールジャパン機構は、日本の魅力ある商品・サービスの海外需要開拓に関連する支援・促進を目指し、2013年11月、法律に基づき官民ファンドとして設立。「日本の魅力(クールジャパン)」を事業化し、海外需要の獲得につなげるため、「メディア・コンテンツ」、「食・サービス」、「ファッション・ライフスタイル」をはじめとする様々な分野でリスクマネーの供給を行っている。

投資案件

メディア・コンテンツ分野:正規版アニメネット販売、・アジア等で日本コンテンツのクリエイター人材を育成するスクール事業。海外向けエンタテインメント番組製作、・マンガ・アニメ等のポップカルチャーを発信する海外向けメディア・EC事業。

ライフスタイル分野:ジャパンモールの展開(百貨店のオープンや日本特産品の常設展示、ファッションブランドの展開)

インバウンド分野;外国人旅行者向けのサービス展開(民泊予約サービス事業、観光インバウンド分野のベンチャーファンドへの出資

食分野:日本食の海外展開(小売り、外食チェーン)、日本食・農産品の海外展開インフラ整備

出資額693億円(政府出資586億円、民間出資107億円)※平成30年4月

内容

①インバウンド型クールジャパン58.5億円

目的:インバウンドが加速する中2020年オリンピック・パラリンピックの開催、2025年大阪万博の誘致を見据えて、クールジャパンを自走させる。

インバウンド(Inbound)とは、外国人が訪れてくる旅行のこと

②グローバル企業展開40.1億円

グローバル展開推進による「新輸出大国」実現に向け、中堅・中小企業等の新市場開拓、農林水産物・食品輸出、コンテンツの積極的な海外展開の取組を支援

③業種連携型クールジャパン発信・展開支援事業3.0億円

世界的な展示会・イベントとの連携や、他産業の展示会・イベントとの連携により、クールジャパンの発信・展開に資する取組を支援

④ふるさと名物応援事業10.5億円

クールジャパン商材の掘り起こしと外部人材の活用による商材の磨き上げの強化等の支援を実施

⑤コンテンツ産業新展開強化事業4.3億円

コンテンツ産業が持続的に発展するエコシステムを構築すべく、国際連携強
化及び国際見本市等を通じた海外展開基盤整備を実施

⑥伝統的工芸品産業振興補助金7.0億円

伝統工芸や繊維等の産地への観光客誘致・海外「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」の規定に基づき、伝統的工芸品産業の振興を目的とする一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会が実施する人材確保及び技術・技法継承、産地指導、普及推進、需要開拓の各事業を補助

⑦伝統的工芸品産業支援補助金3.6億円

各産地における伝統的工芸品の原材料確保対策事業、若手後継者の創出育成事業のほか、観光など異分野との連携や他産地との連携事業、国内外の大消費地等での需要開拓などに対して支援

外国人観光客意識調査・回収対象者:日本が好き/日本に興味がある方(VIPO:ジャパンアンバサダー)有効回答者数:合計420名(内訳:欧州100、アジア212、北米108)

日本に興味を持ったきっかけ

①漫画、アニメ、ゲーム②日本食③映画、テレビ、俳優、アイドル、音楽④歴史

日本に不足しているもの

※各大陸共通して「コミュニケーションが容易」と「ナイトライフを楽しめる」が不足しているものとして高い割合を占めている。
※アジアでは「食体験が豊富」が不足しているという割合が高い。これは、イスラム教徒の「ハラル対応が不十分」といった意見

国の貿易収支

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※2011-2016まで赤字2017年から黒字へ

※2016年の輸出は、円高の影響を受けて前年比7%減と、4年ぶりの減少となり、商品別では自動車、鉄鋼などが減少。輸入は、原油価格の下落にともない、前年比16%減となり2年連続で減少し、原油、LNG、石油製品などが減少。

※日本の輸出の主力品目は、自動車や自動車の部分品、半導体等電子部品、鉄鋼「半導体等電子部品」の輸出は、アメリカとEU以外は中国を筆頭(ひっとう)に台湾、香港、韓国などアジア諸国向けが中心。鉄鋼の輸出は、中国、タイ、韓国向けが多くを占める

※日本の輸入の主要品目は、原油および粗油、液化天然ガス、衣類・同付属品、医薬品、通信機、半導体等電子部品など。

経済収支

経常収支とは、海外とのモノの輸出入、サービスの受払、投資収益の受払などの収支の合計であり、一国経済が海外から受け取る所得から、海外へ支払う所得を差し引いた対外純所得とも言うべきものである。

▼相反する意見


国民

成果がでないことに税金を使うのは無駄

そもそもクールジャパンの定義がわからない

外国人が日本に増えることで観光地に行きづらい、治安が悪くなる

外国人と共通の話題をもつことができる

利益を得ている日本の外食チェーンに政府が補助金を出す必要があるのか

政府

クールジャパンを推進することで海外の観光客を増やし、経済を回す、地域を活性化させたい。

日本伝統の伝承

日本の伝統を海外に訴えることで日本人にも伝統を再認識してもらうことで後継者不足を改善できる

外国人

日本食ブーム、漫画、アニメを通じて日本に行ってみたい

▼仮説


・クールジャパンのくくりが広すぎて、何を伝えたいのか具体性がわかない。日本人がクールジャパンについて理解できていないのに外国人はもっと理解できないのではないだろうか。

・海外からの観光客を増やすにあたって、全く異なる文化の国で日本のアニメ、文化を押し売りして受け入れられるのか。もともと日本文化を知っている人なら理解は得られるだろうが、日本についての知識がない人からしたら受け入れられるのだろうか。

・日本で成功している企業があれば、補助金がなくても自ら海外展開はしないのだろうか。

・伝統文化後継者問題は、海外への発信で解決する問題だろうか、日本人は関心がないままでいいのだろうか。

提案


・ アニメや漫画はネットの情報でも共有できる。読むことで体験はできるので出資する必要はないのではないか。
・学校の授業で日本伝統文化の実際の体験をする。地元のこと以外でも、修学旅行、課外授業で取り上げるのはどうだろうか。
・観光客を増やすことにあたって、元々日本に興味をもっている人にスポットをあてるのではなく、日本について興味を持っていない人に対しての政策をだすべきではないか。漫画やアニメといった仮想のものではく、日本人そのものに興味をもってもらう。交換留学、ワーキングホリデーを活発に行うことで現地の人とコミュニケーションをとり身近な存在になることで、日本に関心をもってもらえるのではないだろうか。

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